FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL恋愛小説へ
ぽちちっと!
-------- --:-- : スポンサー広告 :

獅子の舞 6

夕月が柳城学園に来たにはわけがあった。
それは、ある男を捜すため。
夕月は、1年前の事件で心を殺し、修羅になると決めた。
兄の夜月(やつき)、赤獅子を殺した男に復讐する為に。


***

2人の獅子は自分達の強さに自惚れていた。
2人でかかれば怖いものなどいない。
無敗を誇る2人の獅子は確信のない戦いの中で戦闘と言う魅惑に飲み込まれていた。

だが、その日は違った。
自惚れた2人の獅子は、手をだしてはいけない人物に手を出してしまったのだ。

いつものように2人は喧嘩の喧騒を探し町をさまよっていた。

「兄さん、今日は静かだね。」
「ああ、物音が何もしない。」
「今日は帰る?」
「もう少ししたらな。」

血に飢えた2人の獅子は、更なる血を求めて歩き続ける。
歩き続けて数分たったころ、喧嘩の喧騒が近くに聞こえた。

「夕月。」
「ああ、兄さん聞こえるね。」
「行こう。」
「今日は、どんな人達なのかな?楽しみだね。」

夕月はクスクス笑い、夜月は冷徹な笑みを浮かべ、喧嘩の喧騒に近づいた。

「「Shall we dance?」」

静かに笑って喧騒にまぎれる。
夕月が空を舞い、夜月が地で踊る。

戦いの中夜月が不穏な気配に辺りを見回す。
獰猛な獣から吐き出されるその気配は、夕月を捉えて離さない。

―どこだ?どこにいる?

夜月が辺りを見渡し、夕月の場所を確認した瞬間、夕月は巨大な気配に捕らえられた。
金髪の長髪に、左の耳に赤い3連ピアスをつけた男は、夕月の頬を舐めると、くくっと笑って夜月を見た。
夕月は自分の身に何が起こったのか分からなかった。
羽交い絞めにされて動けない夕月は、捕らえた男を見る為に振り向いた。
夕月は振りむいた瞬間ひっ!と言って固まった。
夜月は走った。夕月を助ける為に。

自分よりも頭1個分大きな男に蹴りを入れる、蹴りが男の顎を掠めた瞬間、夕月の体が離された。
倒れない男を見て、夜月は体が震えた。
その男を見ているだけでも冷や汗が噴出し、腹の底から何かが訴えかける。

―こいつは、やばい。

味わったことのないそれは、2人の獅子が始めて味わった恐怖だった。
動けない夕月の前に立ち、夜月は言う。

「夕月!走れ!」
「でも、兄さん。」
「いいから走れ!逃げろ!」
「でも、駄目だよ。兄さん。兄さんをおいていけないよ。」
「俺のことはいい。必ずおいつくから。先に逃げろ!」
「いけ!!!」

夕月は走った。
振りかえる事なく、息が続く限り走り続けた。
家につき、鍵を閉めると震える肩を抱いて、部屋の隅で蹲った。

何時間そうしていたのだろう。
窓から差し込む朝の光に気づいた夕月は、恐る恐る部屋の中を見回す。

「兄さん?」

ハッと気づいて外に出ると、夕月は昨日喧嘩があった場所に向かった。
物陰から空き地の様子をみるが、誰もいないようだった。

「兄さん…?」

空き地の真ん中で背中を向けて裸で倒れているものに気づき、近寄る。
赤い髪は兄のもの。夕月は恐る恐るその赤い髪の男を上向きにする。
夕月はそれを見て愕然とした。

肌は変色し、所々に紫色に近い痣、そして胸元には赤黒く染まった獅子の刺青。
夕月は夜月を抱きかかえた。抱きかかえた瞬間手に滑りのあるものが付着しているのに気づく。
異臭を放つそれは、男独特の体液を思いださせ、夕月は吐き気を催した。
夕月は兄の名前を何度も呼ぶ、だが、兄の声が聞けることは2度となかった。

夕月は叫んだ。

「助けて…助けて…っ!…誰か助けて!兄さんが…兄さんが!」

それを聞きつけた近くの住人が警察に通報した。
警察がくると回りは慌しくなり、夕月は夜月から離されることになった。

何度も何度も警察に向かい、兄は殺されたと訴えた。
だが、夕月の言葉に耳を貸すものはいなかった。
有名になりすぎた夜月と夕月。
警察の中では、赤獅子が死んだことを喜ぶものまでいた。これで町に平和が戻るのならば良いではないかと言うものもいた。
夕月の心は、打ちひしがれていた。
父は知らされず、母は男を追い掛け回し家に帰らず、兄と弟2人の生活だったが、それでも2人でどうにかやっていた。
だが、その兄も失うと改めて自分に何もなかったのだと気づく。

―俺は1人だ――……

信じられるものは、自分以外いなかった。
愛するものを失い、夕月の心は悲鳴をあげていた。
何の為に生きているのか分からなくなり、1日中家でボーっと過ごす日々が続いた。
ボーっとしてても腹は減る。ただ生きるだけの為に夕月は飯を食い、腹を満たした。

あるとき胸の奥でちりちりするものがあることに気づいた。
気づくと、その感情は大きく膨れ上がり、飲まれこみそうになり、夕月はとまどった。
その感情は、怒りと憎しみ。

―俺から大切な人を奪ったあいつが憎い。必ず見つけて殺してやる。

憎しみを生きる糧に変えて夕月は生きる。
夕月はその人物を探して夜の町をさまよう。
夕月はただその人物に会うためだけに生きた。

あるとき噂を耳にする。
金髪の3連ピアスの男が柳城学園近辺で目撃されることを。

夕月は柳城学園に行くために、中学に戻り勉強をする。
元々頭のよかった夕月は、特待生で柳城学園に入れるようになった。


銀獅子は町をさまよう。
金髪の長髪に、左耳の赤い3連ピアスの男を捜して――……


スポンサーサイト
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL恋愛小説へ
ぽちちっと!
2014-12-28 11:17 : 獅子の舞 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

ブログ閲覧の注意事項

このブログはBL・ML等、男同士の恋愛模様の小説を掲載しているブログです。
下記に該当するかたは、速やかに退出くださいますようお願いします。

男同士の恋愛ものが駄目な方、性描写の駄目な方。
R18指定表現のある箇所がございます。
法廷年齢に届いていない方(18歳未満)は即刻退出してください。

尚、当ブログの著作権は、管理人為三に帰属するものとし、ブログ内の全ての文章・画像の無断転載、二次加工はご遠慮ください。

上記の注意事項を良くお読みになった上で閲覧おねがいします。

プロフィール

為三

Author:為三
為三さんの妄想日記にようこそ。
このブログは為三さんが日々膨らませている妄想を描いているものです。
まだまだいたらない点はございますが、生暖かい目で見守ってやってください。

ご意見、ご感想もコメントにて受け付けております。
内密なお話等は↓にあるメールフォームよりご連絡ください。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL恋愛小説へ
にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ

カレンダー

09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ツイッター

最新コメント

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター

ランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。