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天王寺学園の誉君 28話 女王、襲来 6

「朱莉様、誉様、お待ちしておりました。」

自動ドアが開くと1人の男性が店の奥から近寄り朱莉と誉に声を掛けた。

「本日は当店にお越しいただき、誠に有難うございます。本日担当させていただきます、マネジャーの宇和康永(うわこうえい)と申します。」

恭しくそう言うと宇和は朱莉と誉を店の奥へと促した。

「プラムドレスを御所望とのことでしたので、数着程ご用意させていただきました。ここにあるドレス意外にも店の奥にもございます。」

朱莉は1つのドレスを取ると誉の胸に当てる。

「うーん、なんかしっくりきませんわね。」

店にある100着はあろうドレスを見ながら朱莉は溜息を吐いた。

「誉、貴方の好みはこの中にあって?」

朱莉の言葉に持っていたドレスを棚に戻し、誉は朱莉を見上げた。

「僕の好みと言われましても…。」

女性が着ているのを見ているのはいいが、自分の為に選ぶドレスである、好みと聞かれても誉は困ってしまう。

「なんでもいいんですのよ?ぱっと見てこれだ!って言うのはありませんの?」

そう言われて誉は改めて店内に飾られているドレスを見る。
誉の中でもこれだ!と思うようなドレスは見当たらない。
2人の様子に見かねたように宇和が声をかける。

「先ほども言いましたように、店の奥にもまだまだドレスはございます。」

宇和がパンパンと手を叩くと、店員達がどこからともなく現れ店の奥の方に引っ込んでいった。
そして数分立つと、何着か持って店の奥から店員が出てきた。
しかし、どのドレスも2人の御目がねに叶うことはなかった。

「朱莉様、当店ではお客様のお気持ちに添える為に、オーダーメイドのドレスも承っております。店内にあるドレスが御目がねに叶わないのならば、オーダーメイドで作る事も可能ですが。」

宇和はにこりと微笑み朱莉にそう告げる。

「オーダーメイド…。そうですわね、無いのであれば作ってしまえばいいですわね。」

朱莉は1つパンと手を叩くとさもいい考えだと満面の笑みを浮かべる。
宇和が隣にいた女性店員に話しかけると女性店員は店の奥の部屋に行き、メジャーを持って現れた。
女性はメジャーを目前に掲げ、誉に服を脱ぐように要求する。
女性の前で服を脱ぐことなどしたことのない誉は顔を赤らめて俯いた。

「西条君、ここは私がするから朱莉様と誉様にお飲み物を。」

女性店員からメジャーを受け取り、誉を別の部屋に移動させた宇和は改めて誉に向き直った。

「ここはフィッティングルームでございます。女性の目もございませんので安心してください。」
「あの…全部脱がなくてはいけませんか?」

恥ずかしそうに俯きながら誉は言う。

「全部脱ぐ必要はございません。シャツの上からでも計測はできますので。」

宇和のその言葉に安心した誉はブレザーを脱いだ。

「申し訳ございませんが、スラックスも脱いで頂けると。」

そう言われて誉は一瞬躊躇ったものの、顔を真っ赤にさせながらスラックスも脱ぐ。
誉から受け取ったスラックスを畳み、横にあったハンガーに吊るすと宇和は再度メジャーを取り出し誉の体を計り始めた。


***

フィッテングルームから出てきて誉は驚いた。
それもそうだろう。朱莉が男性の様にスーツを着、ネクタイをしているのだ。。

「ね…姉さん、その格好は…?」

出てきた誉に顔を向けると朱莉は何事もなかったような顔をする。

「暇つぶしですわ。」

朱莉は着ているスーツもそのままに誉の腕を取ると、宇和と共に先ほどの部屋に向かった。
色や形がどうのこうの言っている宇和と朱莉の横で誉は退屈だなーと思いながら朱莉の格好を見る。

腰までの長い絹のような黒髪を襟足部分で1つに結んだ朱莉の横顔はどう見ても男にしか見えない。
細く華奢に見える体だが、幼い頃から武道を嗜んでいる朱莉の体にはしっかりと筋肉がついており、引き締まった体をしている。
誉より5㎝程高い身長も男と言われたら分からない。それだけではなく、体に見合うその美貌は白鳳女学院で皇子様ときゃーきゃー騒がれているのだ。
そう、所謂、『イケメン』なのである。
ぽーっとした様子の誉に朱莉が気づいて誉に顔を近づけ、あえて声を低くし言う。

「どうしたんだ?誉。」

ドキっとした様子の誉はワタワタしたかと思ったら、顔を真っ赤にさせて声を裏返す。

「にゃ!…にゃんでもありませんっ!」

そんな様子の誉に朱莉はくすりと笑うとまた宇和となにやら話し始めた。


***


来店して何時間たっただろうか。
誉は外の暗さに驚き腕に巻いてある時計を見た。

「姉さん!こんな時間です!お時間は大丈夫なのですか?」

誉の言葉に朱莉は自身の時計を見ると、あらと言って外を見た。

「もうこんな時間でしたのね。そろそろ帰りましょうか。」

朱莉は宇和を見てそれから誉に顔を向けながら言った。

「どの位の時間で出来上がりますの?」
「2週間程頂ければドレスも完成していると思われます。」
「そう、ダンスパーティーには間に合いますわね。」

誉の腕を取り誉を立たせると朱莉は着ているスーツの値段をレジで払う。

「ドレスは家に送って下さる?ここに取りにくる時間はありそうにないですの。それから今の服はこのまま着て帰ります。」

服の清算を終わらせ、朱莉は誉と共に店を出た。
目の前に来た車の扉が開き、誉と朱莉は車に乗り込んだ。


***


天王寺学園の入り口で車を止まらせた朱莉は降りた誉に車の窓を開けて声を掛けた。

「誉、ドレス、楽しみにしていてね?」

ウィンクをすると朱莉は窓を閉めた。

「柊(ひいらぎ)、白鳳に帰ります。」

柊と呼ばれた運転手は朱莉の言葉に畏まりましたというと車を進めた。

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2015-04-13 18:51 : 天王寺学園の誉君 : コメント : 0 :
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